尿管結石が自然排出される確率と期間について
尿管結石が自然に排出される確率と期間は大きさによります。
長径10mm未満の尿管結石の多くは、自然に排石される可能性があるため、症状がコントロールできれば経過観察が選択肢の一つです。結石が小さいほど、自然に結石が排出される確率が高く、排石されるまでの期間が短い傾向にあります。
また、一般的に結石がある部位が膀胱に近いほど、自然に排石される確率が高くなります。
1ヶ月以上自然に排石されない尿管結石については、腎機能障害や感染の併発の危険を回避するために積極的な結石除去治療の介入を考慮するべきとされています。
治療が必要な結石はESWL(体外衝撃波結石破砕術)、TUL(経尿道的尿管結石破砕破砕術)を中心とした治療を行う必要があります。詳しくは『尿路結石症の治療法』のタブのそれぞれの治療法を参考にして下さい。
★ 尿管結石が自然に排石される確率(長径)
結石の長径が大きくなるにつれて、自然に排石する確率は下がります。
1mm以下
|
87% |
2−4mm
|
76%
|
5ー7mm
|
60%
|
8mm以上
|
39%
|
「伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より
★ 尿管結石が自然に排出される確率(結石の位置)
尿管結石の部位が膀胱に近ければ近いほど排出する傾向があります。
尿管結石の位置 | 排石される確率 |
上部尿管
|
12〜22%
|
中部尿管
|
22〜46%
|
下部尿管
|
45〜71%
|
★ 排石までの平均日数
大きければ大きいほど、以下のように尿管結石が排石するまでの期間が長くなります。
2mm以下
|
8.2日
|
2ー4mm
|
12.2日
|
4mm以上
|
22.1日
|
★尿管結石の薬
★多くの結石はカルシウムを含む結石で薬で溶けません。
★自然に排石することを期待し経過観察をする場合には以下のような薬を適宜使用します。
排石を促進する薬物 :漢方薬、ウラジロガシエキス(代表薬 ウロカルン®︎) など
尿管の蠕動を止める薬:抗コリン薬(代表薬 セスデン®︎、コスパノン®︎) など
痛み止め :非ステロイド性鎮痛薬(代表薬 ボルタレン坐薬®︎ ロキソニン®︎)